老後の備えのために債券が買われる理由は?

資産形成

2018-8-14

日本経済が先行き不透明なことから、老後の資金を増やすための方法として様々な投資や貯蓄方法が注目を集めています。

その1つの形として、債券を保有している人も多いようです。

債券が購入されているのには、どのような理由があるのでしょうか。

こちらでは債券についての概要、通常の預金や他の株式投資などとの違い、メリットやデメリットの解説を通して、老後の備えとして債券が購入される理由について考察します。

1、債券とはどのようなものなのか

 

「債券」は、国や会社などが、国民や他の会社からお金を借りる時に発行するものです。

一般的にも、お金の貸し借りを行う時には借用書を作成する場合が多いでしょう。

お金を借りる主体が国や会社などの場合の「借用書」を、「債券」と考えると分かりやすいかもしれません。

 

債券のうち、国がお金を借りる時に発行するものを「国債」と言います。

国債には、1万円単位から購入できる「個人向け国債」や、5万円単位から購入できるものなどがあります。

株式会社がお金を借りる時に発行するものは、「社債」です。

10万円・50万円・100万円単位などからの購入が可能です。

他にも、地方公共団体が発行する「地方債」、独立行政法人などの政府関係機関が発行する「政府関係機関債」、債券の発行を法律で認められている金融機関が発行する「金融債」などがあります。

 

債券は、「いつまでにお金を返す」という期限を決めて発行されます。

この期限日のことを「償還日(しょうかんび)」と言い、期限を「満期」と言います。

債券の満期は、5年後や10年後など、ある程度長期間であることが通常です。

満期になるとお金は全額返却されます。

そして満期になるまでの間は、国や会社などお金を借りている側から、お金を貸している国民や他の会社などに対して、利息が支払われることになります。

 

ちなみに、同じ「さいけん」という読み方をするものに「債権」があります。

「債券」と「債権」は似ていますが、使う場面や意味は全く異なります。

「債権」は権利そのものを指します。貸したお金を返してもらう権利、土地を使用する権利、物を使う権利などです。

一方で債券は、国や会社などにお金を貸したことを証明する証書を指します。

2、債券の特徴

 

では、債券の基本的な特徴としてはどのようなものがあるのでしょうか。

まず1つ目の特徴として、満期が来ると額面金額が全て戻ってくるという点があります。額面金額というのは債券に記載された金額です。現在ではペーパーレス化が進んでいて債券を紙として発行しないことがほとんどですが、つまりは、貸したお金が全額返ってくるということが特徴です。

 

2つ目の特徴は、満期までの間は定期的に、あらかじめ決められた金額で利息を受け取ることができる点です。

そして3つ目として、満期が来る前の途中であっても、債券を市場の価格で売ることができるという特徴が挙げられます。

 

3、定期預金と比較した債券のメリット・デメリット

 

債券とよく比較されるものに、定期預金があります。確かに定期預金と債券は、満期になった時の元本の減少というリスクがありません。その点で良く似ていますが、両者には異なる部分もあります。

日本国債を例として定期預金と比べてみると、まず異なるのは金利です。

定期預金も債券も、満期になるまでは定期的に利息を受け取ることができます。

日本国債の場合、利息が支払われるのは年に2回ですが、考え方としては定期預金の利息と何ら変わりません。

 

しかしその金利に関しては、どの期間で比べたとしても、債券の方が定期預金よりも高くなっています。

これは国債以外の債券でも同様です。金利だけで比較すると債券がメリットがあるということになります。

では、国や銀行が破産してお金を返せなくなる可能性というものを加味して考えてみると、どうでしょうか。

 

銀行が破産する可能性と同様に、国が破産する可能性も勿論ありますが、それでも銀行が破産する可能性よりは考えにくいでしょう。

また、銀行が破産した場合、預金1000万円までは保護されます。

国の場合には特にそのような明示はありませんが、国が破産した場合にはおそらく円の価値自体が暴落するため、銀行の預金の価値も結局は下がるはずです。

そう考えると、破産のリスクを加味した場合であっても、債券の金利は定期預金よりもメリットがあると言えそうです。

 

また、全ての債券は期間の途中で売却できます。特に、3年・5年・10年満期の個人向け国債の場合には、発行から1年が経過すれば原則として途中換金できるようになっていて、その場合の価格の決め方も明示されています。

社債など他の債券を期間途中で売却する際には、その価格は買い取り側の証券会社が決定します。元本よりも高い値段で売れる可能性があり、定期預金にはないメリットです。

しかし、元本を下回ることもあります。デメリットとなる得ることも覚えておくと良いでしょう。

 

4、株式と比較した債券のメリット・デメリット

 

では、株式と比較した場合の債券のメリット・デメリットはどのようなものがあるでしょうか。

株式の価格は原則として市場の需給バランスによって決定されます。

また、長期的な視点での投資を行っている人もいますが、短期的な利益を求めて、頻繁に株の売買を繰り返す人も市場には多数参加しています。

 

そのため、株式の値段の予測を立てる時は、国際的な動きや景気の動向を読むことも重要ですが、他の多くの投資家の動向によっても左右されるという点を常に頭において考えなければなりません。

短期で多くの利益を上げることも可能ですが、逆にあっという間に資金を失ってしまうことも頻繁に起こり得るのが株式投資なのです。

 

そうしたことを考えると、債券は短期間で多額の利益を生むということはできにくいものですが、ある程度の利息を受け取りつつ、満期まで待てば元本は保証されている、長期的に安定した投資である点がメリットです。

計画的に地道に資産を増やしていきたい人には向いていると言えるでしょう。

その一方で債券は、種類にもよりますが、国債などは発行スケジュールがあり常に購入できるわけではありません。

この点で、日々色々な選択肢を考慮しながら投資を行いたい人にとっては、株式と比べて債券は、やや選択肢が少なくなる点がデメリットとなり得ます。

5、債券を購入する時に注意すること

 

債券は株式投資などと比べると、一般的にリスクは低くなります。

しかし、安全かというと、債券の発行体が破産・倒産する可能性というものがあります。

その点では、国が発行している国債が最もリスクが低いと言えますが、他の会社が発行している社債などについては、一般の人が倒産リスクを適切に判断することは困難です。

そのために、お金が返ってくるかどうかの信用性をランク付けした「格付け」というものが発表されています。

債券を購入する前には、必ずこの「格付け」を参考にして、リスクなどを十分に理解することが大切です。

 

また、先に触れたように、債券は途中で売却できるメリットがあります。

しかし、例えば社債などは、この途中で売却したときの価格が元本をかなり下回る可能性があります。

決められた中途価格が適切かどうかも、個人投資家が判断することは難しいでしょう。

理論的には残り期間や現在の金利、発行体の信用度で中途価格は決定されますが、買い取る側の証券会社からすると、自社にとってもメリットが出るように動くことが通常ですので、多くの場合は元本を下回ることを覚悟しなければなりません。

 

ただし、個人向け国債は途中解約がはっきりと認められていて、その際の価格の決め方も明示されているため、社債などとはまた異なります。

「どうしても」という時には勿論仕方がありませんが、原則として債券の途中売却はしないと決めておいて購入する方が良さそうです。

不安な場合には、あまり長期の債券を購入しないようにすることもリスクを減らす1つの方法です。

6、債券が購入される理由は計画的・安定的に資産を増やせるから

 

債券は満期になると元本が全額返却されるという点で、定期預金と似ています。

しかし、その金利は一般的に定期預金よりも高く、計画的・安定的に老後の資産を増やしていくという意味では、投資初心者でも取り組みやすい方法です。

 

また、債券は満期前に売却することも可能ですが、その場合元本を下回る可能性があります。少なくとも購入の段階では、満期まで保有することを前提として購入する債券を選ぶようにしましょう。債券における大きなリスクは発行体の破産・倒産ですので、必ず「格付け」を確認することも大切です。

 

investor X 編集部

将来を豊かに過ごすために、自己資金の資産運用が必ず必要になります。
そこで、今有望な投資先として注目のヘッジファンドやアクティビストファンドについてもわかりやすく、みなさんの疑問にお答えしていきます。
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