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株主還元策!自社株買いと配当の効果を比較それぞれのメリットのポイント

資産形成

2018-10-13

株式に投資することに興味はあるけどなかなか手が出せない、株主還元策という言葉は聞いたことがあるけど詳しくは知らない。

株価はどのように計算するのか、専門用語の意味が難しくて分からないなど投資初心者には疑問がつきものです。

 

株主還元策には代表的なものとして自社株買いと配当の2つの方法があります。

それぞれの手法によってどういった仕組みで株価が上昇するのでしょうか。

またそれぞれのメリット・デメリットは企業側と投資する側でどのようなものがあるのでしょうか。

今回は投資について興味がある方、投資初心者の方、または投資はしているけど改めて株主還元策について知りたいという方のための知識集めの1つとしてこれらを紹介していきます。

1、資産運用の投資って?

 

資産運用とは自分の資産を使って資産の増加を目指すことをいい、投資は資産運用の1つの方法です。

1番分かりやすい資産運用の方法としては預金があります。

自分が持っている現金を銀行に預けることで金利分の資産が増加してきますが、このように元本保証があるものを貯蓄商品といい、元本保証がないものを投資商品と言います。

 

投資商品の代表が今回紹介する株式投資です。資産運用は資産が減少する可能性もあるため、家計を把握して目標を明確にするとともに、投資対象に関する知識が重要となります。

これを踏まえて株主還元策をみていきましょう。

2、株主還元策とは

 

文字通り企業が株主に利益を還元することを言います。

企業が行う事業も資本を元手として将来の利益を得ることを目指すものなのでまさに投資ですが、企業にとって株式を発行して売ることは資産、つまり資本を増やすことになります。

 

では、株主に自社の利益を回してしまうことは資本が減ってしまって損失になるのではないかというと、必ずしもそうはなりません。

これによって株価が上昇することになれば結果的に資本は増加することにもなりますし、将来の株価の上昇を投資家が期待するならば株主が増えて資本の増加につながることが見込めるからです。

つまり企業にとって株主還元策は事業の一環として自社の利益を目指すものということです。

 

自社株買いとは市場にある自社の株を現金で購入することを言います。

株価は大まかにいうと資本と発行済株式総数の関係で決まるので、自社株買いにより市場に出回っている株式が減り1株当たりの価格が向上するというのが効果の概要となります。

配当とは純利益の一定の割合を株主に配当することをいいます。配当金の分株価が上昇するという効果がありますが企業に対する税金も関係するので複雑です。それでは次にそれぞれの手法による株価の変化についてみていきます。

3、株価はどのようにして上がるか

 

株価の計算は詳しく書くと複雑になるので株主還元策に関係するところに絞って説明します。

株価はEPSにPERを掛けることで決まります。PERとは時価総額を純利益で割ったものをいい企業がどれくらい成長しているかの指標となる数です。

EPSとは当期の1株当たりの純利益を示す数であり、当期の純利益を発行済み株式総数で割ることで求められます。

 

これをもとに自社株買いをみると、自社の株を買い発行済み株式総数を減らすことでEPSの計算式の割る数が減るため、EPSが上昇しPERがそのままであるとすると株価が上昇するということになります。

厳密にいうと自社株を買うだけでは発行済み株式総数は減らず企業が購入した株式を消却してはじめて減少します。

これはあとに書くデメリットにもかかわるので注意が必要です。

 

配当の場合は発行済み株式総数は変化しないのでEPSの上昇はありませんが、配当分が株価に上乗せされることで株価が上昇します。

しかし注意が必要なのが自社株買いとは異なり企業が配当する現金に20%の税金がかかることです。

したがって税金分を除いた額を株式数で割った分が上昇することになるため企業が使った現金が全て株価の上昇に反映されるということにはなりません。

4、企業からみたそれぞれのメリット

 

説明する前にもう1つROEという用語の説明をします。

これは企業が株主資本からどれだけ利益を上げたかを示す数であり、当期純利益を自己資本で割ることで求められます。

これも企業の成長率をあらわす指標の1つですが具体的にはこの割合で次期の純資産が増加する見込みがあるというものです。

では、自社株買いのメリットです。

さきほど書いた株価上昇の他にROEの上昇、アナウンスメント効果があります。

ROEがどのように上昇するかというと自社株買いを行うと純資産の部が自己株式の分減少し、純資産の部は自己資本にあたるためROEの計算式の中の割る数が減るという仕組みです。

 

ROEの上昇は株価の計算のもとになる純資産の増加につながり今後の事業価値も向上することになるので、投資家の期待値を上げる効果が見込めます。

アナウンスメント効果とは企業が投資家として自社株に投資することが他の事業に投資するよりも利益が見込めると判断したから自社株を購入したという姿勢を示すものです。

これにより投資家の行動を変化させることが期待できます。

 

では、配当は税金がかかることを踏まえても行うメリットはどこにあるのでしょうか。

これにはROEとPERが関係してきます。ROEは純資産の増加率なので配当を行わない場合でもこの比率にしたがって株価は上昇します。

ということは、ROEによる株価の増加率よりも配当を行う方が株主価値が上昇するのであればメリットとなります。

 

また、株価はEPSにPERをかけることで求められるので、PERが著しく低い場合には合理的な選択となります。

具体的にはEPSには純利益が関係するので純利益を配当に回すとEPSが減りますが、この減少分を配当に回す方が株価が上昇するといえることです。

また、即金性により株主の誘因になるというのもメリットと言えます。

5、投資する側からみたデメリット

 

投資する側としてまず留意しておかなければならないのは株主還元策は必ずしも企業にとって積極的な事業方法ではないということです。

株主還元策より利益が見込める他の新規事業などがあるならばそちらに投資した方が合理的といえるからです。

ただ、可能性としてこのような場合があるということであり、全ての株主還元策にあてはまるということではないことにも注意が必要です。

 

アナウンスメント効果のところで書きましたがポーズではなく実際に合理的だと判断して自社株買いが行われた場合などです。これを踏まえて投資する側からみたデメリットをみていきます。

まず、自社株買いですが企業が買った自社株をどのように扱うか動向をみておかなければならないことです。

自社株の扱いには消却と処分があります。

消却とは文字通り株式をなくしてしまうことで発行済み株式総数が減るのであまり問題はありません。

しかし、処分だと株式がまた市場に出回ることになるので発行済み株式総数が減らずさきほど書いた自社株式買いによる株価の上昇の仕組みは働かないことがデメリットになります。

次に配当ですが、本当に企業の合理的な選択なのかというのが分かりにくいことが挙げられます。

税金のキャッシュアウトを踏まえても配当を行うことが効果的なのかということを投資する側が判断することは困難です。

6、株主還元策には慎重な検討を

 

株主還元策による株価の上昇の仕組みを中心に自社株買いと配当のメリット・デメリットを比較しましたが、実際の株式市場では他にも様々な要素によって株価は変動します。

 

株主還元策だからと安易に飛びついてしまうことは危険ですが、株主還元策についての知識を持っていることは投資をする上で1つの武器になると言えます。

そこで株式投資に興味がある方は他にも知識を収集しつつ慎重に検討して合理的な投資を行うことをおすすめします。

 

investor X 編集部

将来を豊かに過ごすために、自己資金の資産運用が必ず必要になります。
そこで、今有望な投資先として注目のヘッジファンドやアクティビストファンドについてもわかりやすく、みなさんの疑問にお答えしていきます。
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