アクティビストファンド(ヘッジファンド)の投資戦略の種類5つ

ファンド投資

2018-11-5

ヘッジファンドとは、資産家から集めた資金を、さまざまな方法で分散して高い利益を追求する投資のことです。

売り買いを駆使して相場の高い低いに関わらず、絶対リターンを追求することから、世界中の富裕層から支持され、近年急成長を遂げてきました。

 

アクティビストとは、一般的に「もの言う株主」ともいわれ、富裕層などの個人投資家から集めたお金で上場企業に投資をし、株主として積極的に経営陣に提言することで企業価値の向上や株価の上昇を目指す投資家、あるいは投資ファンドのことです。

ヘッジファンドの投資戦略にはさまざまな分類方法があり、調査会社によっても多少の違いはありますが、ここでは基本的な5つの投資戦略について、「相場志向型」「運用特化型」「裁定取引型」に分けて紹介します。

 

古くからある代表的な運用戦略の一つで、「相場志向型」に分類されます。

将来値上がりが期待できる資産を割安で購入し(ロング)、値下がりが予想される割高な資産を空売りする(ショート)投資戦略です。

売りと買いを組み合わせることにより、どちらかがヘッジの役割を果たすため、相場全体が大きく動いても損失を被るリスクは低いといわれています。

 

売り買いの銘柄はそれぞれ同業界・同業種を組み合わせることにより、ヘッジ効果を高める方法が一般的です。

絶対収益を目標とする運用戦略であり、国内のヘッジファンドでは最も多くこの戦略法が使われています。

1、グローバル・マクロ戦略

 

ロングショート戦略と並び、こちらも代表的な運用戦略の一つで、「相場志向型」に分類されます。

分散投資の選択肢の一つとしても知られる手法です。

世界各国の経済や政治・トレンドを重視し、金利や為替などのマクロ指標に基づき、グローバル投資を行う戦略です。

株式、債券、通貨、先物などさまざまなジャンルの金融商品が対象となります。

 

典型的なグローバル・マクロ・ファンドとして、1990年代に世界の金融市場に大きな影響を与えたクオンタム・ファンド(ジョージ・ソロス)やタイガー・ファンド(ジュリアン・ロバートソン)などが挙げられます。

これらは、先物を売るなどして大きなレバレッジを掛けて収益を狙うことで、外国の為替市場に影響を及ぼしました。

アジアの通貨危機の際のマレーシア・リンキッドの暴落や、英国ポンドの欧州為替メカニズムからの脱落も、グローバル・マクロ・ファンドの売りが原因だといわれています。

2、イベントドリブン戦略

 

イベントドリブン戦略とは、「運用特化型」の一つで、企業の重要な企業活動を投資の機会と捉える戦略です。

企業の合併・買収(M&A)、増資、リストラ、業務提携などのような企業価値に影響を与えるイベントが市場価値に正確に反映するまでの間の株価の歪みを投資機会と考える運用戦略です。

 

メリットとしては、短期間で高いリターンが得られる可能性が高いことが挙げられます。

イベントドリブン戦略といってもさまざまで、その中の一つに「ディストレスト戦略」があります。

財政危機や経営破綻状態の企業の株式や債券・不動産などに投資を行い、業績回復後利益を回収する方法です。

 

このディストレスト戦略の第一人者といわれているのが、米ヘッジファンド運用会社のデビット・テッパー氏です。

デビット・テッパー氏が当時この戦略により出した年間利益は70億ドルといわれています。

多額の利益をもたらした投資先の一つは、当時リーマンショック以降経営危機に陥っていた会社の株式でした。

3、スペシャル・シチュエーション戦略

 

「スペシャル・シチュエーション戦略」という戦略も有名です。

この戦略は、M&Aやディストレスト戦略などを除いたイベントドリブン戦略の総称ともいえます。

この戦略で有名な投資家が、ジョエル・グリーンブラット氏です。

ジョエル・グリーンブラット氏は「スピンオフ」を投資機会と捉えた戦略を行いました。

 

スピンオフとは、会社の一部事業や子会社を独立させることです。スピンオフによって独立した会社の価格は理論的価値より割安になる傾向があります。

よって、割安な分割会社の中から成長性の高い会社を探し出し、効果的に収益を獲得する機会を見出したのです。

イベントドリブン戦略は高度なスキルや知識が必要とされるため、個人で行うのは難しい手法ですが、ヘッジファンドを理解するうえで重要な戦略です。

4、マルチストラテジー戦略

 

マルチストラテジー戦略も「運用特化型」の一つです。

これは、いくつかの運用戦略を用いることによりリスクを分散させる運用手法です。

大規模なファンドの場合、一つの運用戦略では難しいため、例として「イベントドリブン戦略」と「グローバル・マクロ戦略」の両方を用いる場合などがあります。

これを、ヘッジファンドにおけるマルチ戦略といいます。

この戦略を用いるファンドをマルチストラテジーファンドと呼んでいます。

さまざまな方法で分散してリスクを低減させる効果があることから、一つの手法を用いるヘッジファンドに対して、投資信託に近いファンドといえます。

5、アービトラージ戦略

 

アービトラージ戦略は広く知られている運用戦略で、「裁定取引型」の一つです。

両建てを基本とし、安全性が高いのが特徴です。両建てというのは、売り買い両方のポジションをとることです。

割安な投資商品を買い、割高な投資商品を売りに出すことによって、両方のポジションを立てます。

この売り買い両方にポジションを立てることにより、相場全体の上昇・下落に関わらず、利益が狙えるのです。

 

ヘッジファンドのアービトラージ戦略にはさまざまな手法がありますが、有名な手法としては、「株式マーケットニュートラル」「債権アービトラージ」「転換社債アービトラージ」が挙げられます。

 

まず、「株式マーケットニュートラル」とは、一段落目で説明したロングショート戦略のことです。ヘッジファンドの戦略の中では、ローリスク・ローリターンの戦略といえるでしょう。

次に、「債権アービトラージ」とは、株式マーケットニュートラルの債権バージョンのことです。割安な債権に買い注文を出し、割高な債権に売り注文を出します。最終的には、利益が発生するタイミングで全て手放して利益を得ます。

債権アービトラージ戦略は基本的に元本保証があることから安全性の高い戦略といえ、大企業の社債にターゲットを絞って戦略を立てているヘッジファンドは安全性がより高いです。

最後に、「転換社債アービトラージ」とは、転換社債という株式に変更できる社債を買い占める戦略です。

具体的には、株価と転換社債の価格が離れているときに転換社債を買い占め、株式を空売りする手法です。株価上昇時には転換社債の価値の向上で利益を得ることができ、株価下落時には空売りをしているので社債を株式に変えることで利益が得られます。

また、転換社債は元本保証されているため、購入時の単価を大幅に下回ることはありません。

つまり、損失のリスクを抑えながら、株価が上がろうが下がろうが利益を得られる仕組みなのです。

6、ヘッジファンドの戦略の変化

 

アクティビストファンド(ヘッジファンド)の運用戦略について紹介しましたが、中には一般的な運用戦略も含まれています。運用戦略には他にも、「マネージト・フューチャー」や「フィックスト・インカム」「レラティブ・バリュー」など、さまざまな手法が存在します。

 

近年のヘッジファンドは投資家が富裕層から機関投資家へと移り変わってきている傾向があります。

そういった変化に伴い、運用手法も絶対的な利益の追求を求めるハイリスク・ハイリターン型から、リスクを分散し安定的なリターンを求める運用手法に変化してきています。

investor X 編集部

将来を豊かに過ごすために、自己資金の資産運用が必ず必要になります。
そこで、今有望な投資先として注目のヘッジファンドやアクティビストファンドについてもわかりやすく、みなさんの疑問にお答えしていきます。
あなたにピッタリの投資方法探しのお手伝いができましたら幸いです。

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