【成功者たち】世界のアクティビストの成功と失敗一覧

ファンド投資

2019-2-26

近頃、経済ニュースやメディアで目にすることが多くなった「アクティビストファンド」。物言う株主と呼ばれる彼らは、企業への投資を行いながら株主提案・議決権行使などを行い、会社の経営方針や資本構成に良い意味でも悪い意味でも「口出し」をしていく存在です。

 

アクティビストたちの活動が株価に与える影響は少なくありません。彼らの売買動向はメディアでの報道や大量保有報告書によって明らかになりますが、アクティビストたちによる間接的な経営改善を期待した投資家が同じ銘柄を買い付けることが起きるためです。

そういった点から、非常に注目度が高まってきているアクティビストファンド。今回の記事では、そのファンドの運営に携わる著名アクティビストがどういった人物なのかを見ていきましょう。

1、カール・アイカーン氏

 

自身の名を冠したヘッジファンド「アイカーン・エンタープライズ」の創業者であるカール・アイカーン氏

米ゼロックスの大株主で、日本の富士フィルムHDのゼロックス買収に異議を唱えています。

 

このように買収阻止策を取るのはアクティビストに多く見られる行為で、投資先が正しいバリュエーションで評価されないことを嫌います。

ゼロックスの他にもApple、eBayといった米著名企業に投資を行っており、2015年にはeBayとPaypalの分社化を強く訴えかけ実際にPaypalを独立化させるまでに至りました。

 

アクティビストの活動は他の株主から煙たがられ目論みが実現しないことも多々ありますが、アイカーン氏の場合は強い実行力とともにファンドのパフォーマンスという実績を残してきたと言ってよいでしょう。

2、ビル・アックマン氏

 

パーシング・スクエア・キャピタルを率いるビル・アックマン氏、2018年までのパフォーマンスは苦しい局面もありましたが、2019年は2月半ばまでで年初来+24.7%の成績を記録しています。

 

スターバックス、ユナイテッド・テクノロジー、ナイキなどへの投資を行っており、積極的な株主提案を行っているのが特徴です。

企業価値向上・株価向上に繋がるアクティビストとしての活動を行いながら、投資パフォーマンスで結果を出すことはそう簡単ではありません。2019年以降、パーシング・スクエア・キャピタルが安定した投資成績を残せるか注目です。

3、ダニエル・ローブ氏

 

ダニエル・ローブ氏が運営するアクティビストファンドが「サードポイント」

ここまで紹介してきたファンドと比較すると、ソニー、ファナック、ソフトバンクなどの日本企業への投資を多く行っているのが目立ちます。2013年、ダニエル・ローブ氏がソニーに対し事業の分離を勧めたのは有名な話で、この提案を好感しソニーの株価が上昇するシーンも見られました。

 

スープ缶詰で有名なキャンベル・スープに対しては委任状争奪戦(プロキシーファイト)を展開し、取締役会の入れ替えを提案しました。

このようにアクティビストの活動は企業にとって「敵対的な」姿勢で行われることも少なくありません。

4、デイビット・アイホーン氏

 

グリーンライト・キャピタルを率いるのがデイビット・アイホーン氏です。彼のファンドの投資成績は冴えず、2018年にはマーケットの不調もあり過去最悪の-34%という投資成績を記録です。ファンド戦略として空売りを利用するのは彼の投資哲学の一つでしょう。

 

テスラやネットフリックスなどに空売りを仕掛けているほか、過去にはリーマン・ブラザーズの破綻を見抜きショートで大きな利益を得たとされています。

アクティビストの側面というよりは「ロング・ショート戦略」を使いながら高い投資成績を狙うのがアイホーン氏の特徴だと言えるでしょう。

5、ラルフ・ホイットワース氏

 

ラルフ・ホイットワース氏はアクティビストファンド「リレーショナル・インベスターズ」の創業者。リレーショナル・インベスターズは60億ドルの規模がありながらも2016年に解散となりましたが、マーケットに残した爪痕は非常に大きかったと言えます。

 

ウェイスト・マネジメント社の会長就任後、経営再建を行い大きなリターンを獲得したほか、日本でもPC、プリンターなどの機器で目にするヒューレット・パッカードの株式を購入後、ホイットワース氏自身が同社の暫定会長に就任したなどのエピソードがあります。

6、ジェフリー・アッベン氏

 

日本メディアでも耳にすることが多い「バリューアクト・キャピタル」を運営するジェフリー・アッベン氏

バリューアクトのアクティビスト活動としては、オリンパス株の大量保有が有名です。2018年にオリンパスの株を大量保有後、取締役に自社社員を送り込み。会社経営自体に携わり、オリンパスの経営改革を行っていくのが目的です。

 

何度か触れてきたように、会社にとってはメリットデメリットがあるのがアクティビストの活動です。

ただ、マーケットではアクティビストの動きを好感し株価が上昇するケースが多く、このオリンパスの事例でもバリューアクトの手腕に期待してか株価が大きく上がりました。

7、ネルソン・ぺルツ氏

 

トライアン・ファンド・マネジメントを率いるネルソン・ぺルツ氏。ゼネラル・エレクトリックやプロクター・アンド・ギャンブル、ウェンディーズなどに自社から取締役を就任させています。今回見てきた中でもここまで取締役を入れ替える施策をとる人物は多くなく、その点にネルソン・ぺルツ氏の考え方が表れていると言えるでしょう。

 

プロキシーファイトに勝利ののちプロクター・アンド・ギャンブルの取締役に就任したペルツ氏は、組織再編などを行い同社の改革に着手。2019年発表の決算でも昨年比で純利益を28%増加させたことからも、確かな経営感覚を持っていると言えそうです。

8、バリー・ローゼンスタイン氏

 

バリー・ローゼンスタイン氏が運営を行うジャナ・パートナーズも、ここ数年は投資成績が伸び悩んでいるファンドです。

ファイザーやアラガンといった医薬品銘柄のほか、アップル、フェイスブックなどのハイテク株への投資も行っています。

 

イベント・ドリブン戦略を用いるファンドとして知られ、他社による企業買収などを収益チャンスと見て様々な企業を投資先としています。

9、村上世彰氏

 

日本で最も有名なアクティビストと言えば村上世彰氏ではないでしょうか。

同氏が率いた「村上ファンド」はニッポン放送、タカラ、TBSなどの株式を大量保有、株主還元策を中心に株主提案を行ってきました。

 

2006年に村上氏がインサイダー取引で逮捕されてからは一旦影を潜めたものの、2015年に再び黒田電気、三信電気などの大量保有報告書の提出によって復活。また村上ファンドの元メンバーはストラテジックキャピタル、レノといった投資会社を立ち上げアクティビストファンドとしての活動を行っています。

まとめ

ここまで著名アクティビスト9人について見てきましたがいかがでしたでしょうか。

彼らの生い立ちや投資行動は一見奇抜にも思えるものの、芯が通っておりそれぞれの哲学を持っている印象を強く受けます。個人投資家にとっても筋の通った根拠のある投資を行うことは非常に重要であり、そういった観点で投資先を選んでみるのもよいでしょう。

 

日本ではまだまだ注目度が低いアクティビストですが、近年のコーポレートガバナンスコードの導入により、その存在感は今後かなり大きくなっていくことが予想されます。日本のアクティビストファンドの活動にも注目していきたいです。

 

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