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投資信託でバリュー株投資をすることはできるか?日本の投資信託の現状

投資信託

2018-8-30

バリュー株投資とは、実際には評価されているよりも大きな価値を持つと考えられる企業に投資を行い、長期的に利益を得ようとする投資手法のことです。

投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットが行っていたこともあり、最も優れた投資手法だといわれることもあります。

ところで、日本の投資信託ではこのバリュー株投資を行っていないという話を耳にすることがあります。投資信託といえば、公募形式で不特定多数の投資家から資金を集めて運用する機関です。日本でも多くの人が利用していますが、果たしてこの噂は本当なのでしょうか。今回は、バリュー株投資に関する日本の投資信託の現状、そしてバリュー株投資を実践するための方法について解説します。

 

1、バリュー株投資とは?

 

バリュー株投資はウォーレン・バフェットの育ての親ともいわれるベンジャミン・グレアムが提唱した投資手法です。

バリュー株投資の基本的な考え方は、企業が将来生みだすであろう利益を予想するのは難しく、将来の利益に対して投資を行うと失敗する可能性が高いということです。

そのため、バリュー株投資では財務諸表などを参考にして現在の価値が過小評価されている企業を見つけ出します。

そして、企業の株価はいずれ実際の価値に見合った値まで上がるはずだという考えに基づき、見つけ出した企業に投資を行うのです。

ただし、企業の実際の価値が株価に反映されるまでには長い時間がかかります。

すなわち、バリュー株投資は長期的に利益を狙う余裕のあるファンドや裕福な投資家などに向いている手法だと言えます。

ウォーレン・バフェットはこの手法に基づいた投資で巨額の利益を稼ぎ出しました。

また、1940年代から1970年代までの間にグレアム氏が行った検証では、バリュー株投資によって常に市場平均を上回る利益を上げ続けたのです。

 

ところで、そもそも企業の実際の価値をどうやってはかるのかと疑問に思う人も多いでしょう。

バリュー株投資では、企業の保守的純資産を現在の実際の価値だとみなします。

保守的純資産とは、企業の所有する現金や有価証券などの換金性の高い資産を合計し、そこから借入金などの負債を引いた金額のことです。

この保守的純資産が時価総額を上回っている企業に投資を行うのがバリュー株投資という手法なのです。

 

なお、時価総額は発行済み株式数に現在の株価をかけ合わせて求めます。

たとえば、現金5000万円の他に土地や工場などを保有している企業があったとしましょう。

その企業が2000万円の負債を抱えていたとすると、企業の資産としては現金3000万円と土地などがあるということになります。

さらに、株価が2000円の株式を1万株発行していれば、時価総額は2000万円です。

このとき、この企業は保有している現金だけで時価総額を1000万円も上回っていることになります。

バリュー株投資の手法でもこの企業は投資対象だと判断されることになるでしょう。

 

ちなみに、バリュー株投資とは対照的な投資手法としてグロース株投資というものがあります。

グロース株投資は、企業の将来的な収益成長性を予想し、有望だと見込んだ企業に投資するという手法です。

現在の企業価値と時価総額の差から投資するかどうかを判断するバリュー株投資よりは不確実な手法だといえます。

しかし、短期間でより大きな利益を得られる可能性もあるのです。

バリュー株投資は現在に、グロース株投資は未来に投資する手法であり、それぞれにメリットとデメリットがあるのだといえるでしょう。

2、日本の投資信託はバリュー株投資を行っている?

 

結論からいうと、日本の投資信託はバリュー株投資を行っていません。

しかし、よく似た手法で投資を行っている投資信託は存在します。

その手法とは、PBRとPERを指標として投資を行うというものです。

 

PBRとPERは投資を行ううえでは重要な指標であり、日本語ではそれぞれ、株価純資産倍率、株価収益率と言います。

まず、PBRは「時価総額÷純資産」という数式から求めることができます。

純資産とは総資産から負債を引いたものです。この純資産が時価総額よりも大きいときはPBRが1を下回り、小さいときは1を上回るということになります。

 

PERを求める数式は「時価総額÷当期純利益」です。

この数式が意味するのは、当期と同じ利益を上げ続けた場合、何年で時価総額に達するのかということです。

すなわち、PERとは企業の売上が積み重なって元金を回収するまでの目安の年数ということになります。

 

これは不動産を購入するケースを考えると分かりやすいでしょう。

2000万円のマンションを購入し、その家賃収入が年間100万円だったとします。そうすると、マンションを買うために使った金額は20年で回収可能です。

マンションの価格が時価総額、家賃収入が当期純利益だとすれば、このときのPERは20ということになります。

日本の投資信託では、このPBRとPERが低い企業を対象として投資を行う手法を実践しています。

確かに、この手法も一定の実績を上げているというのは事実です。

 

しかし、市場全体の暴落が起こると一緒に暴落してしまうという欠点があります。

リーマンショックや東日本大震災のときには、実際に市場全体と同じ程度の損失を出しているのです。

特に、PERについては元々PERが低かった銘柄でも大恐慌の際には高くなる傾向が強いので、指標としては役に立ちません。

このように、大恐慌などに対応できないという点で、低PBR、低PERの手法はバリュー株投資よりも劣っていると言えるのです。

3、なぜバリュー株投資を行わないのか

 

日本の投資信託がバリュー株投資を行わないのには理由があります。

まず、不特定多数の出資者から資金を集めているという投資信託の性質上、知名度の低い企業に投資を行いにくいという事情があります。

そして、日本でバリュー株投資の対象となるような企業は、東証二部などに上場している時価総額の低い企業の中にしかないといわれているのです。

また、資金の規模が大きいために投資対象が株価の流動性の高い有名企業に限定されやすいということも要因として挙げられるでしょう

日本の投資信託がバリュー株投資を行っていないのは、こうした理由があるからだといえるのです。

 

4、バリュー株投資の欠点とは?

 

バリュー株投資の欠点とは、利益が上がり始めるまでに時間がかかるということです。

実際の価値と比べて時価総額が過少評価されている企業には、過小評価されるだけの理由があるものです。

そうした企業の株価が上昇するのを狙うのであれば、何かのきっかけが起こるのを辛抱強く待つことができる資金力が必要になるでしょう。

 

バリュー株投資に必要な資金力を備えている個人投資家はそれほど多くないはずです。

また、日本の株式はバリュー株投資には向かないという意見もあります。というのは、アメリカの株式と日本の株式では株価の傾向に違いがあるためです。

アメリカの代表的な経済指標は長期的に上がり続けているのに対し、日本の代表的な経済指標は時が経つにつれて大きく変動しています。

このように、バリュー株投資にはいくつかの欠点があり、誰でも行える投資手法ではないということができるでしょう。

5、真のバリュー株投資を実践するために

 

投資対象となる企業を見つけづらいということもあり、バリュー株投資は個人投資家が行うには少々難しい投資手法です。

そこで、ヘッジファンドを利用することでバリュー株投資によって利益を上げるという方法があります。

日本の投資信託がバリュー株投資を行っていないことは先述の通りですが、ヘッジファンドなら行っているところもあります。

最低投資額が大きいというデメリットもありますが、その条件をクリアできる人にはヘッジファンドを利用することをおすすめします。

 

 

investor X 編集部

将来を豊かに過ごすために、自己資金の資産運用が必ず必要になります。
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