【実例】本当に物言う株主の要求によって株価上昇はあるのか?

その他の投資

2018-10-30

日本は現在、景気が回復している最中にあります。

この景気回復は、今後も続き戦後最長期間を更新する見通しだとする意見もあります。

このような状況となっている要因の一つに、大企業を中心とした日系企業が、業績を伸ばしていることが挙げられます。

日本企業の業績と日本の景気は連動しているのです。

 

企業の業績が向上すると、その企業の株価は上昇します。

すなわち、このような日本経済の状況の中では、株主は利益を得やすい状況にあると言えます。

ここでいう株主とは必ずし株を保有している個人のみを指す訳ではありません。中には、「もの言う株主」と言われる機関投資家も存在します。

 

もの言う株主とは具体的にはどういう組織なのか、どのようにもの言う株主と付き合っていくのがよいかなどを解説します。

そもそも株式を購入したことがない人にとっては、株式がどういうものであるのかすら、よくわからないことでしょう。

 

そこでまずは、株式そのものや、それが景気や企業の業績とどのように関わってくるのかを簡単に説明します。

株式会社へ出資すると、その会社における議決権や利益配当の請求権といった様々な権利を得ることができます。

そうした権利を総称して株式と言います。

株式を保有していると、利益が配当されることになりますが、その配当利益は企業が稼いだ利益の中から生み出されます。

すなわち、企業が業績を上げれば上げるほど、株式の配当も高くなることが期待できます。

 

また、企業の業績が向上すれば、株式の値段である株価も上がります。

株式は基本的に譲渡可能であり、株式市場では配当の良い株式に対する需要が高くなるのです。

 

そのため、手持ちの株式を、購入時の株価よりも値段が高くなったタイミングで売却すれば、その差額を売却益として得ることができます。

景気というのは、企業全体の業績が良いか悪いか、ということです。景気とそれぞれの会社の業績は互いに影響し合います。

そのため、景気が良くなれば株価が上昇し、悪くなれば株価は下落するという傾向があります。

1、もの言う株主とは

 

このように、株式を取得して株主になっていれば、それだけで利益を得られることもあります。

その株主というのは、最初にも少し触れたように、様々な形態で存在しています。

具体的に言うと、個人で株式を保有する個人投資家や証券会社や銀行といった機関投資家など色々な株主がいます。

その中にはいわゆる「もの言う株主」と言われる株主もいます。

もの言う株主とはアクティビストとも呼ばれ、基本的には個人投資家ではなく、ファンドの形をとっています。個人やその他の組織から投資を募り、その大量の資金を元手に投資先の企業の株式を大量に保有します。

 

もの言う株主の特徴はいくつかありますが、その名の通り株式を保有する企業に対し、はっきりと要求や主張を行うことがまずは挙げられます。

具体的には、投資先の企業の株式を多く保有するがゆえに、議決権を強力に行使し経営に介入します。

ときには、それまでの企業慣習や経営戦略を大きく転換させるような提案も行います。

特に外資系のもの言う株主は、自分たちの利益を重視しその企業の社会的な役割やその企業が置かれた環境などを考慮しない場合もあり、その存在が社会的な議論の対象になったこともあるほどです。

2、もの言う株主は株価を上昇させるか

 

結論から言うと、もの言う株主が企業の経営に介入することにより、その企業の株価が上昇することは十分にありえます。

もの言う株主は、企業の経営状況を大胆に改善することにより、株主である自分たちも利益を得ることを目的としています。

もの言う株主が大胆な提案や強力な要求を行うことには、賛否両論がありますが、その提案や要求自体は企業の業績を向上させるのに合理的である場合も多いです。

提案や要求の具体的な内容は、配当といった株主還元の強化、不採算事業の売却、役員の派遣など多岐にわたります。

 

一昔前、もの言う株主の大半は、いわば企業と対決するような要求を行う強硬型のファンドでした。

最近ではそのようなもの言う株主に加え、「対話」を重視する穏健なもの言う株主も登場し始めています。

対話型のもの言う株主には、経営陣と会話することを試みたり、短期ではなく中長期に渡りその企業の株式を保有したりするという特徴があります。

 

元々日系企業の株主は、企業の経営内容に口を挟まない「もの言わぬ株主」であることが多く、そのため企業もあまり株主の方を向いていなかったという現実があります。

そこにもの言う株主が登場したことによって、企業の経営者は緊張感をもって経営を行うようになり、業務の効率化や合理化などに繋がっているという一面もあるようです

3、もの言う株主に投資するには

 

もの言う株主に資金を提供し、リターンを得るにはいくつか方法があります。

一つは直接、もの言う株主に直接投資する方法です。もの言う株主はファンドであるので、当然資金を募っています。

そこに投資することができれば、高い利率の収益を上げることが期待できます。

しかし、この方法は理論的には可能であっても、現実的には難しいものとなっています。

その理由はいくつかありますが、一つはもの言う株主は私募ファンドであることが多いことです。

私募ファンドとは、資金を募る対象者が狭く限定されているファンドのことを指します。

この対象者というのは、大量の資金を投資できる個人投資家や金融機関であることが多く、一般の人ではとても用意できないような金額を投資することが求められます。

 

また、もの言う株主には外資系ファンドが多いことも直接投資のハードルになっています。

世界的に名を馳せていて高収益を上げているもの言う株主は、主にアメリカなど海外に拠点を置いています。

そのため、もの言う株主とのやり取りやもの言う株主から届く書類では、英語が使われることが一般的です。

投資や経済に関する専門用語を含んだ英語を理解し、自分も使いこなす必要があるという点でも、やはり一般の人がもの言う株主に直接投資することは困難であると言えるでしょう。

 

このようにもの言う株主に直接投資することは困難だと言えますが、間接的に投資する方法もあります。

それは投資信託を利用することです。

投資信託とは、銀行や証券会社などの金融機関が販売する金融商品の一つです。

購入者から資金を集めて、それを元手に株式や債券の保有・運用などを行います。

銀行などが投資信託で集めた資金を自社のグループ会社で運用する場合もありますが、別のファンド等に投資することもあります。

 

その際の投資先にもの言う株主が含まれている場合も可能性としてはあります。

投資先がどこであるかはその投資信託によって異なり、もの言う株主を投資先に含んだ投資信託が常に販売されているとも限りませんが、このように間接的にもの言う株主を利用する方法もあります。

4、物言う株主に賛同する

 

上に記したような投資信託という方法を含めても、もの言う株主に自ら投資するのはなかなか実現できないかもしれません。

そのような状況においては、もの言う株主の提案に賛同することで自らの株式の価値をさせるということが、もの言う株主とうまく付き合う方法になりえます。

株主総会は株式を保有してさえいれば参加することができます。

しかし、その保有数によって自分の議決権の重さが変わるため、個人の株主が企業に対し提案を行い、その提案を企業に受け入れさせることは難しいという現実があります。

もの言う株主は、その会社の株式を大量に保有している場合が多いですが、それでも過半数に届くことはほとんどありません。

そのような時、多くのもの言う株主は他の株主に対して自分たちの提案に賛同するよう働きかけます。

株主の提案が合理的なものであり、企業の業績を向上させるようなものであるなら、自分もその提案に賛同して保有する株価の向上を図ることも選択肢のひとつとなります。

5、もの言う株主との付き合い方

 

このように、もの言う株主には他の投資機関にはない独特の特徴があります。

企業の経営を改善することで高い収益を上げていることは事実ですが、実際にそれに投資するのは難しいという現実があります。

直接投資できない場合は、もの言う株主の提案に賛同することで、自分が保有する株価の向上を図ることもできます。

株式に興味があるならば、この記事で紹介したポイントを押さえた上で、もの言う株主にも注目してみてはいかがでしょうか。

investor X 編集部

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