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知られていないヘッジファンドの規制は?日本と海外の違いを見てみましょう

株式

2018-8-30

ヘッジファンドは、比較的自由な運用が可能で、先物取引や信用取引など、様々な取引手法を使って利益を追求しています。

相場の上げ下げに関係なく利益を得るようにしていて、積極的な運用をしています。

そのため、リスクが大きい分、リターンも大きいのが特徴です。

そんなヘッジファンドには、どんな規制をしていて今後はどうなっていくのか、また日本と他の国との規制の違いなど、気になる方もいると思います。

そこで、このページでは、金融庁がヘッジファンドに対して、行っている規制には、どんなものがあるのか、今後の状況も合わせて見ていきます。

また、日本と海外のヘッジファンドに対する規制の違いや、国内のヘッジファンドの規制が、今後どうなるのかも合わせて説明していきます。

1、公募が禁止されている

 

ヘッジファンドは、公募が原則禁止されています。

これは、金融商品取引法という法律があるためです。ただし、公募が完全に禁止されているわけではなく、公募が認められる条件もあります。

 

例えば、「リスクの高い運用手法を使わない」や、「安全性が高くて信用できる商品で運用する」などです。安全性が高い場合は、公募をすることができますが、リスクが大きいヘッジファンドのような場合は、公募が規制されてしまいます。

ただ、ヘッジファンドでも、規制の対象にならないような商品を運用することもあります。

 

2、帳簿書類の作成や保存の義務

 

ヘッジファンドの規制には、「帳簿書類作成・保存義務及び事業報告書作成・提出義務 」があります。

この規制自体が導入されたのは最近で、帳簿関係の書類を作成して、そのすべてを保存しないといけないという義務です。

この規制が無いと、税務申告を行うときに、不正に申告をしてしまう恐れがあります。

 

その不正を無くすために、金融庁が帳簿書類の作成や保存の義務を行うことで、ヘッジファンドの中で、決算不正を行う会社を無くすという目的があります。

3、年次報告書の作成や開示義務

 

この、「年次報告書の作成や開示義務」というのは、投資家の保護を目的とした規制です。

この規制がないと運用状況が不透明になり、投資家が投資をする上での判断基準が、曖昧になってしまいます。

そのため、これらの規制をすることで、適当な理由をつけて投資家を集めるのを防ぐことができます。

 

もし、ヘッジファンドがこの年次報告書の作成や開示を怠ると、行政指導や営業処分を受けることになります。

正確な年次報告書の作成や開示を行うことで、損をする投資家を減らすようにしています。

4、日本国内に代表者を置くことが義務付けられている

 

日本国内でヘッジファンドの運用をする場合は、日本国内の代表者を置くことが義務付けられています。

この規制の最大の目的は、不透明なヘッジファンドを減らし、信頼のあるヘッジファンドが運営していることを伝える目的があります。

 

ただし、元々日本のヘッジファンドには関係のない話で、どちらかというと海外に拠点があるヘッジファンドに対しての規制です。

この規制が導入されてからは、海外のヘッジファンドも、日本人の代表を置いています。

5、日本と海外の投資ルールの違い

 

ヘッジファンドに対する規制は、日本と海外で違いがあります。例えば、アメリカには、ドットフランク法があります。

ドットフランク法とは、正式名称が「ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法」で、ウォール街改革法や金融規制改革法とも呼ばれていて、2010年に制定されています。

この、ドットフランク法は全16編、2200ページを超える膨大な法律になっていて、金融機関に対する規制の強化になっています。

また、リーマンショック再発防止のために制定された金融規制改革法です。

これは、世界中に深刻な影響を及ぼすような、巨大金融機関の監視を強化するのが目的です。

また、アメリカの場合は、ファンドマネージャーの登録手続きにも厳格なルールがあるため、その点で、日本のヘッジファンドに対しての規制内容は緩いと言えます。

 

また、欧州では、ヘッジファンドに対する規制がしっかりとしていて、例えばAIFMDと言うのがあります。

AIFMDとは、オルタナティブ投資ファンド運用会社規制(AIFMD)と呼ばれるものです。

AIFMDの対象になるかは、ファンドの種類や、そのファンドの在籍している国、運用者の在籍地で決まります。

AIFMDの対象者になっている場合は、各国規制当局への登録が必要で、「最低資本の確保」や「役職員に対する報酬ポリシー、利益相反防止策の策定」、「リスク管理や流動性管理の強化」などが求められています。

欧州のヘッジファンドへの規制は、情報開示だけでなく、自己資本比率から社内体制まで細かく規定されています。

そのため、日本の金融庁が定めていない部分も多くあるので、日本よりも厳しいと言えます。

 

また、シンガポールの場合は、アジアにおける金融の中心地ということもあり、シンガポールには、数多くのヘッジファンドが集まっています。

そのため、ヘッジファンドに対しての規制もしっかりとしていて、「最低資本金の整備」や「内部監査関係のルール」、「独立監査人の配置」など、他にも様々な規制があります。

そのため、シンガポールは規制の対象項目が多くなるので、日本よりも厳しい規制が設けられていると言えます。

また、中国に関しては、2015年にチャイナショックが起きた影響で、規制が厳しくなりました。チャイナショックとは、「中国ショック」とも呼ばれ、中国が中心となって、世界中の金融市場に大きな混乱を及ぼしました。

そのことが原因で、2016年にヘッジファンドへの規制が強化されました。

 

例えば、「開示情報が遅れたファンドへの罰金規定」や「営業活動を行う際の事前の登録許可申請」など、他にも中国政府が決めたルールが増えていきます。

しかも、中国政府は規制の内容をよく変えてくるため、その都度に新しいルールに基づいて、社内体制を変更する必要があります。

6、国内の規制は海外と比べると緩い

 

日本国内のヘッジファンド規制は、海外と比べると緩くなります。

その理由は、「最低資本金のルールがない」「運用手法に対する厳しい規制がない」「デリバティブ周りの制限ルールは特にない」「ルールの規定は報告の部分ばかり」「自主規制に任されている部分が多い」などです。

 

日本の規制は、資料の公開や報告を求めてはいますが、自己資本比率などについては各社に任せています。

これが海外の場合は、日本で自主規制とされている部分が、法令で規制するようになっています。

自主規制だと不正を起こしやすいため、海外では厳しく規制していますが、日本ではそれがありません。

 

そのため、今後日本で大きな問題が起きた場合は、金融庁が規制を強化する可能性があります。そうなると、日本でもいずれ海外並みに規制が厳しくなることが予想されます。

7、国内の規制は海外と比べて緩いけど今後は分からない

 

日本国内のヘッジファンドに対しての規制は、アメリカや欧州などの海外と比べると緩い印象があります。

そのため、ヘッジファンドとしては運営がしやすいですが、その分リスクもあります。そのリスクは、ヘッジファンド側、投資家側の両方にあります。

ヘッジファンド側のリスクは、規制が緩いと不正をしやすくなり、その不正が発覚した頃には、すでに大きな影響を及ぼす程になっていることがあります。

 

また、投資家側にとっても、規制が緩いとヘッジファンドが正確なデータの開示をしないため、リスクを隠しやすくなってしまいます。

そうなると、良い部分しか知ることができずに、知らないうちにリスクを背負っている可能性があります。

現状では大きな問題は起こっていませんが、今後のことを考えると、日本国内のヘッジファンドへの規制は、強化されていく可能性があるかも知れません。

 

 

investor X 編集部

将来を豊かに過ごすために、自己資金の資産運用が必ず必要になります。
そこで、今有望な投資先として注目のヘッジファンドやアクティビストファンドについてもわかりやすく、みなさんの疑問にお答えしていきます。
あなたにピッタリの投資方法探しのお手伝いができましたら幸いです。

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