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世界の情勢に敏感なヘッジファンドの運用期間はどのくらい?

株式

2018-11-16

銀行の金利が限りなくゼロに近い超低金利時代を迎え、定期預金などだけには頼れなくなってきています。

特に老後に必要な資金を考えると、このままでは心配だと考える人も少なくありません。

そのため、一定の資産形成を目標に、積極的に投資を行っていこうと考える人が増えてきています。

なかでも注目を集めているのが「ヘッジファンド」です。

ヘッジファンドは、一般に「莫大な資金をハイリスク・ハイリターンの手法で運用する機関投資家」として知られています。

その分、ファンドの破綻などのリスクも気になるところです。

実際、ヘッジファンドはどのくらい続くことが一般的なのでしょうか。

この記事では、ヘッジファンドの運用期間や、世界情勢に対するスタンスなどについて詳しく解説をしていきます。

1、ヘッジファンドの誕生

 

「ヘッジファンド」の数は7,000から8,000ともいわれており、創業年数が浅いヘッジファンドが数多く存在しています。

そのため、ヘッジファンドの運用期間について疑問を持っている個人投資家が少なくありません。

 

しかし、ヘッジファンドそのものの歴史は非常に古いものです。

20世紀前半に、富裕層の資産を守ることを依頼された投資や金融などの専門家がヘッジファンドの起源です。

当時は戦争などによるインフレのリスクがあったほか、国によって財産が接収されるリスクすら存在していました。

ヘッジファンドの「ヘッジ」とは、「リスクヘッジ」などの用語で使われているように「回避する」というのがもともとの意味です。

ヘッジファンドは富裕層の資産を時代の情勢によるリスクから「回避」し、防衛することをミッションに誕生したものです。

 

現在のヘッジファンドの原型を作ったのはA.W.ジョーンズという投資家です。

株式の買いなどに対して、「ヘッジ」として他のものを空売りしておく手法は既に存在していましたが、A.W.ジョーンズは「ヘッジ」を積極的に組み合わせたファンドを作り、高い利益を上げることに成功しました。

このロング(買い)と売り(ショート)を巧みに組み合わせた手法は「ロングショート戦略」と呼ばれています。

A.Wジョーンズのファンド開始は1949年で、その後あっという間にロングショート戦略が世界中に広まっています。

 

1960年代になると、世界のヘッジファンドの数はついに200を超えるまでになりました。

ヘッジファンドが投資の世界で非常に大きな影響力を持つようになったのです。

ヘッジファンドは最近の金融工学によって誕生したと思っている人も少なくありませんが、少なくとも半世紀以上の歴史を持っているのです。

また、起源まで辿るのであれば1世紀ほどの長い歴史になります。

2、ヘッジファンドの成功

 

長い歴史のなかでは、大成功を収めたヘッジファンドもあれば、大きな損失を被って破綻したヘッジファンドもあります。

ヘッジファンドの特性を知るためには、これらの事例についても知識を整理しておくことが大切です。

 

最も成功したヘッジファンドのひとつに「クォンタム・ファンド(Quantum Fund)」があります。

これは「イングランド銀行を潰した男」との異名を持つジョージ・ソロスがジム・ロジャーズと共に立ち上げたヘッジファンドです。

これによって現代的なヘッジファンドの形が完成したともいえます。

有名なのは、1992年の英ポンド(GBP)をめぐる攻防です。

下落を続ける英ポンドに対して英国政府は為替介入を行って買い支えを試みましたが、ジョージ・ソロスはさらに大量の英ポンドを売り浴びせました。

 

結果として英ポンドは暴落し、ジョージ・ソロス側は一夜で約1,000億円の利益を手にするという大勝利を収めました。

このことでジョージ・ソロスの名前が世界中で有名になりましたが、同時にヘッジファンドの存在が改めて注目されることにもなっています。

また、暴落でも大きな利益をあげることが可能であるというショートポジションの威力をまざまざと見せ付けた事件でもありました。

 

ジョージ・ソロスの例をみてもわかるように、「ハイリスク・ハイリターンだからヘッジファンドは長続きしない」という見方は適切ではありません。

下げ相場どころか、市場がパニックになるような暴落時さえ利益を追求することがヘッジファンドの最大の特徴です。

3、ヘッジファンドの平均運用期間

 

クォンタム・ファンド以降もさまざまなヘッジファンドが登場しており、現在のヘッジファンドの運用総額は200兆円から300兆円もの規模に膨れ上がっています。

 

現在、最大規模のヘッジファンドは「ブリッジウォーター・アソシエイツ(Bridgewater Associates)」です。

創業したのはヘッジファンド界の帝王といわれるレイ・ダリオで、運用総額は16兆円以上にものぼります。また、「AQRキャピタル・マネジメント(AQR Capital Management)」も注目されるヘッジファンドのひとつで、運用総額は7兆円以上です。

もちろん、こういった大規模のヘッジファンドだけではなく、さまざまなタイプのヘッジファンドが世界中に存在しています。

 

ここまでヘッジファンドが増えてくれば、当然失敗するヘッジファンドも増えてきます。

年間で全ヘッジファンドのおよそ1割(700から800)が破綻しているといわれており、「ヘッジファンドの平均運用期間は5年」と推計されます。

また、次々にマーケットに登場する新しく組成されたファンドの場合は、開始から3年の間に約3分の1が破綻しているという調査もあります。

4、「平均運用期間」のからくりとは

 

5年というヘッジファンドの平均運用期間は、一見かなり短いように思えます。

しかし、実際には「ファンドの組み直し」という側面があることも無視できません。

もちろん、長い歴史を誇る巨大ヘッジファンドの場合は、ブランドマネジメントの面からもファンドを解散することは考えられません。

 

しかし、中小規模のヘッジファンドの場合は、経済状況の変化や金融業界のルールの変更などに対して最適なファンドの状態を保つため、積極的に解散するという選択肢を取ることが少なくありません。

経済のグローバル化が進んでいるほか、Fintech(フィンテック)の進化で仮想通貨などが登場して、世界の各国でさまざまな法案や規制がつくられています。

これに対応した組織や運営形態を実現させるには、古いファンドを続けるよりも、ファンドを解散して新しく組成する方が理にかなっているということができます。

 

つまり、ヘッジファンドは、世界の情勢に対してはかなり敏感に反応し、すぐに万全の体制を整えるというスタンスなのです。

もっとも、新しいファンドは当然ながら実績で判断することができないため、優良なファンドがどうかを判別しにくいのは事実です。

しかし、ファンドの責任者であるファンドマネージャーを確認することで、おおよそのファンドの実力を見極めることが可能です。

ファンドの運用目標や実際のコストなどの確認も必要ですが、ファンドマネージャーの過去の実績と直近の成績を調べることが大切です。

5、ヘッジファンドを選ぶには

 

このように、ヘッジファンドは見かけ上の運用期間から想起されるイメージとは異なり、世界経済の情勢に合理的な態度で臨むクレバーな組織です。

当然のことですが、むやみにリスクを取って破綻するということはめったにありません。

運用しているのは世界中から集められたプロ中のプロであるため、投資を検討している人であればヘッジファンドの利用を検討してみることをおすすめします

国内のヘッジファンドも増えてきており、利用しやすい環境が整っています。

また、最近ではAIを活用した取引も頻繁に行われていますが、それらの方向性などの意思決定を行っているのはファンドマネージャーです。

テクノロジーや組織形態、資金の規模も重要ですが、もっとも注目すべきはファンドの舵を取る人物です。信頼できるファンドマネージャーを見つけ、投資を成功させましょう。

investor X 編集部

将来を豊かに過ごすために、自己資金の資産運用が必ず必要になります。
そこで、今有望な投資先として注目のヘッジファンドやアクティビストファンドについてもわかりやすく、みなさんの疑問にお答えしていきます。
あなたにピッタリの投資方法探しのお手伝いができましたら幸いです。

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